50代男性 父の遺品から個人情報が出て来て仰天

私は50歳代前半の男性です。昨年(2018年)、90歳近い高齢で父が亡くなりました。母が健在ということもあり、遺品というのは着ていた服、それにあまり広くない書斎に積まれている本、雑誌、書類などでした。服は母が少しずつ処分しています。私が本好きということもあり、本その他の担当になりました。私は文系ですが、父は医者でした。医学関係の専門誌が昭和30年代後期のものからあって、父は「これは高く売れるぞ」と言っていました。前に私の本を引き取ってもらった良心的な古本屋さんがあるので、そちらに来ていただきました。「今はこういう雑誌、みんなデータ化されているので、なかなか売れないんですよ」と古本屋さん。それでも「お父さんの遺品ですから、なんとか生かせるように努力しますね」と雑誌から本まで全部持って行ってくださいました。1万5千円ほどいただきました。父はもう一桁多い金額を想像していたんじゃないかと思います。さてこうして本屋や雑誌は片付きました。残ったのは書類やメモの類。父の若いころの写真や親戚が結婚したときの記念写真、大学の同級会のスナップ……そういうものは見ていても心が温まります。どうでもいい領収書なども取ってあって、しかしそんなものはまだいいのです。信じられなかったのは昭和40年代の患者さんのカルテの綴ったものがけっこう出てきたこと。「何を考えているんだ! こういうものを家に持って来たらだめだろう。いや、持ってきてもいいけれど、あの世に行く前に自分でちゃんと処分をしておけよ!」書斎を片付けながら、私は思わず一人で大声を出しそうになりました。いや、あの世に文句をいいに行きたいくらいの気分になりました。まだ、個人情報の保護なんて意識はなかった時代だったのでしょうか。結局、そのカルテ類はまだ処分できていません。シュレッダーを借りてくるのも大変だし、結局機密書類の処分を請け負っている業者さんに頼むしかないのかなと思っています。終活なんてことばが流行る昨今ですが、ほんとに身の回りはちゃんと片づけておかないと、後に残った遺族が大変なんだなと実感しました。

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